摩擦攪拌接合用セラミックツール / 超硬ツール
接合用セラミックツール 誕生
切削分野で培ったセラミック技術が更に進化 次は接合分野へ新たな価値を
高融点金属の摩擦攪拌接合において高い性能を発揮
既存ツールに比べ大幅な生産コスト削減を実現
鉄系金属*向け セラミックFSWツール
- 高強度サイアロン系セラミックの採用で耐摩耗性と耐熱性を高いレベルで両立
- 被接合材に適したツール形状設計と安定した材料特性バランスに より、10mm以上の厚板接合が可能
- 切削工具で培った生産技術と製造体制により、PcBN系ツールと比べ リーズナブルなコストを実現
*鉄系金属: 鋼・ステンレス・銅
寿命 | コスト | |
---|---|---|
NTKセラミック | ○ | ◎ |
PcBN系 | ◎ | × |
超硬 | 加工不可(ツール融解) | |
ハイス | 加工不可(ツール融解) |
線接合条件目安 | 回転速度(min-1) | 1000 - 2000 |
接合速度(mm/min) | 1000 - 2000 |
適用期待分野
- 鉄鋼/厚板鋼板の摩擦攪拌接合
- 車載用/車体の軽量化や安全性向上を目的に採用が進む高張力 鋼板の接合
- アルミニウム合金などの軽金属と鉄系金属との異種材接合
仕様
ツール材種 | 高強度サイアロン系セラミック |
微粒子超硬合金 | |
シャンク径 | φ8, 10, 12, 16, 20mm |
加工実例
ハイテンのFSW [1] | ||
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接合方法 | 線接合 | |
被接合材 | 材質 | SPFC980 (ハイテン980MPa級) |
板厚 (mm) | 1.2 | |
ツール形状 | シャンク径 (mm) | φ6 |
ショルダ径 (mm) | φ6 | |
プローブ径 (mm) | φ3 | |
プローブ長 (mm) | 0.9 | |
接合条件 | 回転速度 (min-1) | 1000 |
接合速度 (mm/min) | 100 | |
接合距離 (mm) | 850 |
厚板鋼板のFSW [2] | ||
---|---|---|
接合方法 | 線接合 | |
被接合材 | 材質 | 低炭素鋼 |
板厚 (mm) | 15 | |
ツール形状 | シャンク径 (mm) | φ37.5 |
ショルダ径 (mm) | φ37.5 | |
プローブ径 (mm) | φ18.5 | |
プローブ長 (mm) | 14.7 | |
接合条件 | 回転速度 (min-1) | 200 |
接合速度 (mm/min) | 50 | |
接合距離(mm) | 500 |
[1] 古嶋 亮一ら, 高張力鋼板の摩擦攪拌接合に用いたサイアロンツールの耐摩耗性評価, 粉体粉末冶金協会平成30年度秋季大会 講演番号1-46A 本評価は、産業技術総合研究所中部センターのご協力のもと実施
[2] 森 正和ら, 窒化珪素製ツールを用いた15mm厚鋼板の摩擦攪拌接合, 溶接学会全国大会講演概要 108(2021-4), 58-59 本評価は、大阪大学接合科学研究所・龍谷大学のご協力のもと実施
SS400とSUS304の重ね接合 耐腐食鋼板想定ワーク
従来は鋼にSUSを溶射し表面性能を高めていましたが
FSWにより容易に接合する事が可能です
S45C 冷却パイプ想定ワーク
接合前
- 従来手法 - 溶接
- FSW(摩擦攪拌接合)
- 被接合材を溶かすことなく接合、接合後の変形が少ない
FSW(摩擦攪拌接合)とは?
FSWはFriction Stir Weldingの略称、1991年に英国で開発された接合手法です。
先端に突起の付いた円筒状ツールを高速回転させ被接合材の接合部分に押しつけ、発生させた摩擦熱で被接合材を軟化させ、ツール回転により塑性流動させて接合する固相接合技術です。
アーク溶接などの溶融溶接とは異なり被接合材を溶かすことなく接合することができるため、接合後の変形が少なく、継手の結晶粒細分化により接合部の強度低下が小さいというメリットがあります。
また、従来の接合方法と比べて省エネルギーで接合できるという特徴もあります。
FSWの適用
現在、軟化温度の低いアルミニウム合金などの接合技術においては広く普及し、鉄道車両や自動車などの製造において実用化が進んでいます。 一方で、軟化温度の高い鉄鋼など鉄/鋼系素材においては、高温特性に優れたツール材が少ない、又は既存ツールは非常に高価であり、なかなか普及していないのが実情です。